“紅榴石”という和名のがあるように、ガーネットといえば、深紅色を思い浮かべるでしょう?

このガーネット。実は色彩豊富な宝石なんです!

【アルマディン・ガーネット】

最も貴重で最も知られている、一般的にイメージされる暗赤もしくは濃赤のガーネットです。“アルマンダイト・ガーネット”ともいいます。特に上質なのはミャンマーのシリアンという町の鉱山から採れるもの。欧州では“シリアン・ガーネット”と呼ばれてます。またスリランカからも多く産出され、これは“セイロン・ルビー”と呼ばれています。

色によっても呼び名があり、ブラウンがかったものを“メルヴェイユ”、赤に青が入り混じったものを“オリエンタル・ガーネット”と呼んだり。

さらにカボッションに磨いたものを“カーバンクル”と呼ぶなど、アルマディン・ガーネットは呼び名が多いのも特徴です。

また、アルマディンの中には四条の星を持つ“スター・ガーネット”という神秘的なものもあります。

【パイローブ・ガーネット】

赤色が一般的。ルビーよりも暗いのが特徴なのですが、ルビーに似ていることから、名前には“アリゾナ・ルビー”や“ケープ・ルビー”など、産地名の後にルビーとつけられています。

【ロードライト・ガーネット】

赤紫の魅惑的な色が素敵です。アルマディンよりも少し明るめでパイローブよりは暗め。“パイロ・アルマディン”とも。帝政ロシアの象徴石とされていました。ロードライトの語源はギリシャ語の“ロードン/薔薇”です。

【グロッシュラーライト・ガーネット】

グーズベリー(西洋スグリ)似ているためこの名前がつきました。黄緑色のガーネットのことです。鉄分の含有量によって薄い緑色や黄色になるため多彩。透明と半透明のものがあるのも特徴。

透明のものには“ヘソナイト”と呼ばれるものがあり、黄色・橙色・赤褐色などニッケイに似ていることから、“シナモン・ストーン”と呼ばれます。赤みが強いものは古い呼び名である“ジャシンス(ヒヤシンス)”と呼ばれることも。

“透明グロッシュラーライト”と呼ばれる種類もあり、白・黄・茶・緑・クロム・ゴールドなど、色彩が豊富。特に緑色は産地の東アフリカの国立公園から名前を取って“ツァボライト”とも呼ばれます。

“半透明グロッシュラーライト”は緑色とピンクのガーネットです。南アフリカのトランスバードで産出されます。緑色のものは翡翠の代用とされるため、“南アフリカジェード”や“トランスバード・ジェード”とも。

【アンドラライト・ガーネット】

黒柘榴石とも呼ばれます。1番高価なガーネットで、ダイヤモンドを語源と知る名前で呼ばれる“デマントイド”は緑色の美しい石。“ウラル・エメラルド”とも。

“メラナイト”と呼ばれる透明の黒い石は、喪中の装飾品に使われます。

“イエロー・アンドラライト”はトパーズに似ていることから“トパーゾライト”という別名があります。また黄色に薄緑がかったものは“オリーブ・ガーネット”と呼ばれます。

【スペサルタイト・ガーネット】

ヘソナイトとよく似た色合い。橙赤色・帯紫赤色・帯赤褐色などがあります。

【ウバロバイト・ガーネット】

ロシアのウラル地方の砂金産出川で発見。エメラルド・グリーンの美しいガーネットです。他の地でも産出されていますが、結晶が小さすぎるため、宝飾品には不向きです。

ルビーとも間違えられやすいガーネットですが、絶対的な違いは持ち主に対して忠実な愛情を示し、正しい願い事に対しては無条件に力を貸してくれること。

宝石言葉は《貞節、真実、貞操、忠実、友愛》。ガーネットのメッセージは《あなたに忠実でいたい/変わらぬ思い》です。